2012年10月15日

坊主

坊主

 

坊主と聞くと、お寺さんを指す言葉や釣果が無い場合、頭を丸めた人を連想しますが、坊主の語源は何だったのでしょうか?

 

「坊主」は「一坊の主人」を略した言葉です。では「一坊」とは何処から来ているのでしょうか?

昔「坊」と言う言葉は都市を作る際の区画の一部を指していました。当時の人々は、宗教を一つの都市、都市の中心を本山、都市の一部(一坊)を寺院として例え、住職を「一つの坊にいる主人」これを略して一坊の主人、「坊主」と言う言葉が出来たと言われています。

室町時代以降は住職のみならず、一般僧侶の呼称にも「坊主」の言葉を使われるようになりました。

 

では、なぜ頭を丸めた人は坊主と言われているのでしょうか?

僧侶となる為、世俗から離れ煩悩を捨て去る象徴として頭を丸めるという説や髪型を整えたり変えることが煩悩とされる為に頭を丸めるという説があります。そのため頭を丸めた人は、まるで僧侶になったような姿だという表現を用いる為に言われたとされています。

 

また、釣果が無いのを表す表現で「坊主」と言われる理由として、百人一首の「坊主めくり」の中で僧の札を取った場合、持ち札を全て場に出すことから言われたとの説。釣果がないことを「おでこ」とも呼び、餌もなく釣果もないことをまるで頭に毛が無いことから「坊主」と呼ばれるようになったとの説などがあがっています。

 

「坊主」の対になる言葉に「坊守(ぼうもり)」と言う言葉があります。「坊守」は坊主の妻を指しており、昔はお寺を守る門番を指す言葉でした。僧侶は法要や葬儀など様々な場所でお勤めをし、奥さんはお寺で僧侶に代わり守っていたことから「坊守」と言う言葉で表されたのかもしれませんね。

 

坊主という言葉一つにいろんな意味や思いが込められているのが分かりますね。