2011年4月29日

仏事・葬儀豆知識8

護摩(ごま)

 

今回は護摩についてご紹介いたします。

お寺さんが勢い良く燃える炎の前に座り、力強く念じている様子を

テレビや映画で見たことがあるでしょうか?

それが「護摩」です。

 

1. 護摩の歴史

紀元前2000年頃にインドのバラモン教の儀礼から歴史は始まりました。

その後、お釈迦様が広めた仏教が大きく二つの宗派に分かれる過程の中で

バラモン教の一部が取り込まれ、大乗仏教に護摩と言う修法が形成されたと言われています。

その大乗仏教が中国を経由し、日本に入り今の護摩が形として収まりました。

 

2. 護摩の種類

護摩を焚くのは主に天台宗、真言宗のいわゆる密教が行っています。

護摩を焚かずに自分の心の中で炎を出し、煩悩や己の業を焼き払うと言う「内護摩」と言われるものと

実際に炎を灯し、その中に護摩木を投じて祈願をする「外護摩」と言われる2種類の手法があります。

また、護摩をする目的によって5種類に分類され、簡略的に意味合いをご紹介します。

 

・息災法(そくさいほう)・・・災害防止や煩悩に対処する為等の祈願

・増益法(そうやくほう)・・・長寿や縁結び、福徳繁栄等の祈願

・調伏法(ちょうぶくほう)・・・敵や魔を除く、病魔や悪行を抑えるまた取り除く等の祈願

・敬愛法(けいあいほう)・・・調伏法とは逆に、平和円満を祈願

・鉤召法(こうちょうほう)・・・自分の利する物(者)を集める等の祈願

 

因みに3月27日に東日本大震災被災者救済護摩法要を圓満院門跡北海道本院の総本山である

滋賀県にある圓満院が行ったのは息災法になります。

 

3.その他

日本は神仏習合(神道と仏教の習わしが混合した事)があったため、神道でも護摩をするところもあります。

但し、左義長(地方によっては、どんど焼きとも言われる)とは違います。

 

誤魔化す(ごまかす)の語源の一説には

空海が護摩を行った灰と偽り売り歩いた者が横行した為

「紛らかす(まぎらかす)」と「護摩」を合わせて、「誤魔化す」と俗語が作られたとも言われています。

 

護摩ひとつを取っても、様々な歴史や事柄が知る事が出来るので、一度改めて調べてみてはいかがでしょうか?