仏事・葬儀豆知識8
護摩(ごま)
今回は護摩についてご紹介いたします。
お寺さんが勢い良く燃える炎の前に座り、力強く念じている様子を
テレビや映画で見たことがあるでしょうか?
それが「護摩」です。
1. 護摩の歴史
紀元前2000年頃にインドのバラモン教の儀礼から歴史は始まりました。
その後、お釈迦様が広めた仏教が大きく二つの宗派に分かれる過程の中で
バラモン教の一部が取り込まれ、大乗仏教に護摩と言う修法が形成されたと言われています。
その大乗仏教が中国を経由し、日本に入り今の護摩が形として収まりました。
2. 護摩の種類
護摩を焚くのは主に天台宗、真言宗のいわゆる密教が行っています。
護摩を焚かずに自分の心の中で炎を出し、煩悩や己の業を焼き払うと言う「内護摩」と言われるものと
実際に炎を灯し、その中に護摩木を投じて祈願をする「外護摩」と言われる2種類の手法があります。
また、護摩をする目的によって5種類に分類され、簡略的に意味合いをご紹介します。
・息災法(そくさいほう)・・・災害防止や煩悩に対処する為等の祈願
・増益法(そうやくほう)・・・長寿や縁結び、福徳繁栄等の祈願
・調伏法(ちょうぶくほう)・・・敵や魔を除く、病魔や悪行を抑えるまた取り除く等の祈願
・敬愛法(けいあいほう)・・・調伏法とは逆に、平和円満を祈願
・鉤召法(こうちょうほう)・・・自分の利する物(者)を集める等の祈願
因みに3月27日に東日本大震災被災者救済護摩法要を圓満院門跡北海道本院の総本山である
滋賀県にある圓満院が行ったのは息災法になります。
3.その他
日本は神仏習合(神道と仏教の習わしが混合した事)があったため、神道でも護摩をするところもあります。
但し、左義長(地方によっては、どんど焼きとも言われる)とは違います。
誤魔化す(ごまかす)の語源の一説には
空海が護摩を行った灰と偽り売り歩いた者が横行した為
「紛らかす(まぎらかす)」と「護摩」を合わせて、「誤魔化す」と俗語が作られたとも言われています。
護摩ひとつを取っても、様々な歴史や事柄が知る事が出来るので、一度改めて調べてみてはいかがでしょうか?
仏事・葬儀豆知識7
法要に出席する時のマナー
今回は法要を行う側ではなく、出席する立場の方々が注意をしなければいけないマナーをご紹介します。
1. 行動する時は余裕を持って・・・
法要を施行する方(施主)から、法要の案内状や電話での案内が来た場合、早めに返答するようにして下さい。
遅く返信をする事で、施主に迷惑をかけてしまう可能性があります。返答の際は、出席する人数も明確にしましょう。
また、親類等が一同に集まり旧友の中を深める場でもありますので、出席する事が望ましいです。
法要当日は開式の20~30分前に到着する事を薦めます。
2.服装や持ち物
法要の際、葬儀の様に喪服を着る格好でなくても構いません。男性は略礼服やダークトーンのスーツで
女性もダークトーンのスーツ、またワンピースを着るのが好ましいです。
持ち物は、数珠・供物料を忘れずにお持ち下さい。
3.のしの表書き
供物料は不祝儀袋に現金を入れますが、表書きを書く時には注意が必要です。
四十九日法要までは、のしの表書きを「御霊前」。一周忌法要以降を「御佛前(御仏前)」と書きます。
※但し、浄土真宗では全て供物料に関しては表書きは「御佛前」と書きます。
供物料の相場は地域や続柄によって違いがある為、考慮した上でお包みください。
供物は「御供」と書き入れるのが無難です。
尚、上記は仏式の場合での説明でしたが、他宗派の場合は以下の通りとなっています。
・神式の場合は、「御玉串料」「御榊料」 「御神前料」
・キリスト教式は、「御花料」
・無宗教の場合は、「御花料」 「御供」
仏事・葬儀豆知識6
供物・供花
葬儀・法要の際、親戚・友人・会社関係で供物や供花をお供えする場合があります。
その中で、気を付けなければならない事があるので今回は「供物・供花」をご紹介します。
1.誰が送るのか?
まずは、供物・供花を贈るにあたって、供える方の名前(又は法人名)を記載する為
記載名を明確にする事が必要です。
依頼する業者や葬儀社に以下の事を気をつけて頼んでください。
・法人名や役員等の正式名称や肩書き
・名前の漢字(例:サイトウ→斉藤・齋藤・斎藤 ヤマザキ→山崎・山﨑 など)
・連名の場合、夫婦であれば奥様の苗字を省略し、兄弟での連名であれば省略をしない
2.宗旨や地域の特性に気をつける
遠方での葬儀や宗旨により、供物・供花の内容やしきたりに特性がある為
依頼する前に事前確認をする必要があります。
宗旨が分からない場合は、遺族の方に確認をする事で分かります。
一般的に以下の事に気をつけてください。
・神式では線香、抹香は供えません。
・キリスト教カトリックの場合、祭壇への供物はしません。(花を贈るなら教会や斎場に置く花輪などが良いです)
・プロテスタントの場合は生花のみ霊前に飾ります。
3.表書きはどうしたらいいのか?
供花は葬儀社や世話役に頼む事が一番確実な方法と言えます。
供物(箱菓子)は水引きで、香典と同じで、仏式や神式に合わせ用意をし
かけ紙には仏式では「御供」 神式では「御玉串料」と上部に書き
下部には供える方の名前等を記載するのが無難です。
お供えをするのも、香典を出すのもどちらも供養になりますので
遺族の方やお供えする方のご負担にならないように行うのが
最終的には故人の供養へと繋がりますので、状況を踏まえた上で
供養していただければ幸いと思います。
仏事・葬儀豆知識5
家紋
ご自身の「家紋」を知っていますか?
家紋は家柄・地位・家系や血統などを表す意味として用いられる紋章です。
家紋の始まりは、平安時代の公家(いわゆる貴族)が
移動する際の乗り物(牛車)に独自の紋を入れ
お披露目をしながら移動をしたのが始まりと言われています。
その後、時代が進むにつれ庶民も使われるようになり
今の意味合いとして家紋が広く伝わってきました。
なぜ家紋を取り上げたのか?
それは、家紋は仏事では非常に良く使用されるからです。
会葬者に渡す会葬礼状
斎場に大きく掲げる立て看板
礼服(羽織、袴)につける紋付
お盆に灯す盆提灯
墓石を作る時に掲げる場合
など
様々な場所や物に付ける為、家紋は非常に大切な事が分かります。
このブログをご覧になった方の中で
もし、現在ご自身の家紋が分からないのであれば
ご実家や系図を調べて頂ければ幸いです。
春彼岸大法要会
「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉がありますが
ここ札幌ではようやく春の日差しが降り注ぎ気温も春らしくなってきました。
円満堂では、圓満院門跡北海道本院の春彼岸大法要会を3月21日に行いました。
多数の参列者の皆様が来られ、無事に終了いたしました。
また、今回は東日本大震災が起き、少しでも助けになるよう、義援金箱を設け義援金を募りました。
滋賀県にある本山の圓満院では、3月27日に東日本大震災被災者救済護摩法要が行われ
圓満院門跡北海道本院の輪番も出席されました。
今後も義援金箱を設け、被災者の方々が一日も早く復興出来る様
心よりお祈り申し上げております。
圓満院門跡北海道本院・円満堂一同